霧が渦巻く森のなかに、
ぼくは、いた。
ぼくは、太陽を求めた。
ぼくは、霧のなかに太陽を探した。
ぼくは、他の木の言葉に従い、
太陽を、他の木と同じようにみつけようとした。
霧のなかを光が遮った。
ぼくは、太陽をみつけた。
太陽は、月と、ともに、いた。
ぼくは、霧のなかを、ぬけ出した。
〜 つきのひかり 〜
2014年02月02日
鎧 〜 ぼくのこと(間)
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
鎧 〜 わたしのこと(間)
闇が渦巻く森のなかに、
わたしは、いた。
わたしは、月を求めた。
わたしは、闇のなかに月を求めた。
わたしは、他の木の言葉がわからず、
月を、わたしのなかにみつけようとした。
闇のなかに光がはしった。
わたしは、月をみつけた。
月は、太陽と、ともに、いた。
わたしは、闇の森に、光をよんだ。
〜 つきのひかり 〜
わたしは、いた。
わたしは、月を求めた。
わたしは、闇のなかに月を求めた。
わたしは、他の木の言葉がわからず、
月を、わたしのなかにみつけようとした。
闇のなかに光がはしった。
わたしは、月をみつけた。
月は、太陽と、ともに、いた。
わたしは、闇の森に、光をよんだ。
〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
2013年04月24日
鎧 〜 ぼくのこと(三章)
霧に覆われた森のなかに、
ぼくは、いた。
どこかで、誰かの、声がする。
どこかで、誰かが、笑っている。
だから、ぼくは、叫んだ。
ぼくは、ここに、いるよ。
ぼくは、そこに、行きたいよ。
ぼくは、独りが恐かった。
ぼくは、独りが淋しかった。
ぼくは、ぼくの存在を、他の木に、
知ってほしかった。
ぼくは、ぼくを、表現したかった。
ぼくは、ぼくを、他の木と、
同じようにした。
ぼくは、不安に囚われた。
ぼくは、ぼくを、守りたかった。
ぼくは、安心を求めた。
そして、
ぼくは、ぼくを、隠した。
だから、ぼくは、霧のなかに深く入り、
ぼくはぼくを他の木と同じようにすることで、
ぼくはぼくの存在を、探していた。
〜 つきのひかり 〜
ぼくは、いた。
どこかで、誰かの、声がする。
どこかで、誰かが、笑っている。
だから、ぼくは、叫んだ。
ぼくは、ここに、いるよ。
ぼくは、そこに、行きたいよ。
ぼくは、独りが恐かった。
ぼくは、独りが淋しかった。
ぼくは、ぼくの存在を、他の木に、
知ってほしかった。
ぼくは、ぼくを、表現したかった。
ぼくは、ぼくを、他の木と、
同じようにした。
ぼくは、不安に囚われた。
ぼくは、ぼくを、守りたかった。
ぼくは、安心を求めた。
そして、
ぼくは、ぼくを、隠した。
だから、ぼくは、霧のなかに深く入り、
ぼくはぼくを他の木と同じようにすることで、
ぼくはぼくの存在を、探していた。
〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
鎧 〜 わたしのこと(三章)
闇に覆われた森のなかに、
わたしは、いた。
どこかで、誰かの、声がする。
どこかで、誰かが、笑っている。
だけど、わたしは、逃げた。
わたしは、ここに、いるよ。
わたしは、そこに、行きたくないよ。
わたしは、独りを求めた。
わたしは、独りに閉じ込めた。
わたしは、わたしの存在を、他の木に、
知られたくなかった。
わたしは、わたしを、表現したくなかった。
わたしは、わたしを、他の木と、
違うままにした。
わたしは、不安に囚われた。
わたしは、わたしを、守りたかった。
わたしは、安心を求めた。
そして、
わたしは、わたしを、隠した。
だから、わたしは、闇のなかに深く入り、
わたしのなかのわたしを見つけることで、
わたしはわたしの存在を、探していた。
〜 つきのひかり 〜
わたしは、いた。
どこかで、誰かの、声がする。
どこかで、誰かが、笑っている。
だけど、わたしは、逃げた。
わたしは、ここに、いるよ。
わたしは、そこに、行きたくないよ。
わたしは、独りを求めた。
わたしは、独りに閉じ込めた。
わたしは、わたしの存在を、他の木に、
知られたくなかった。
わたしは、わたしを、表現したくなかった。
わたしは、わたしを、他の木と、
違うままにした。
わたしは、不安に囚われた。
わたしは、わたしを、守りたかった。
わたしは、安心を求めた。
そして、
わたしは、わたしを、隠した。
だから、わたしは、闇のなかに深く入り、
わたしのなかのわたしを見つけることで、
わたしはわたしの存在を、探していた。
〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
2012年04月17日
鎧 〜 わたしのこと(二章)
月がかげる森のなかに、わたしはいた。
わたしの、前に立つ木が、話しかけてきた。
「きみの葉は、ぼくたちの葉とは違う」
「・・・」
わたしは、他の木と違う葉をつけていた。
「きみは、ぼくたちとは違う」
「・・・」
わたしは、他の木と違ってもいいと思った。
だけど、わたしは、悲しくなった。
わたしは、淋しくなった。
わたしは、独りぼっちだ。
だから、わたしは、鎧を深くまとった。
〜 つきのひかり 〜
わたしの、前に立つ木が、話しかけてきた。
「きみの葉は、ぼくたちの葉とは違う」
「・・・」
わたしは、他の木と違う葉をつけていた。
「きみは、ぼくたちとは違う」
「・・・」
わたしは、他の木と違ってもいいと思った。
だけど、わたしは、悲しくなった。
わたしは、淋しくなった。
わたしは、独りぼっちだ。
だから、わたしは、鎧を深くまとった。
〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
鎧 〜 ぼくのこと(二章)
太陽がかげる森のなかに、ぼくはいた。
ぼくは、前に立つ木に、話しかけた。
「ぼくの葉は、きみたちの葉と同じだよね」
「・・・」
ぼくは、他の木と同じような葉をつけていた。
「ぼくは、きみたちと同じだよね」
「・・・」
ぼくは、他の木と同じがいいと思った。
だけど、ぼくは、悲しくなった。
ぼくは、淋しくなった。
ぼくは、独りぼっちだ。
だから、ぼくは、鎧を深くまとった。
〜 つきのひかり 〜
ぼくは、前に立つ木に、話しかけた。
「ぼくの葉は、きみたちの葉と同じだよね」
「・・・」
ぼくは、他の木と同じような葉をつけていた。
「ぼくは、きみたちと同じだよね」
「・・・」
ぼくは、他の木と同じがいいと思った。
だけど、ぼくは、悲しくなった。
ぼくは、淋しくなった。
ぼくは、独りぼっちだ。
だから、ぼくは、鎧を深くまとった。
〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
2012年02月07日
鎧 〜 ぼくのこと(一章)
太陽があつくさす森のなかに、ぼくはいた。
ドキドキ、わくわく
ぼくは、そこにいることが嬉しかった。
だから、ぼくは、前に立つ木に、話しかけた。
「あそぼうよ」
「・・・」
返事がない。きこえなかったのかな。
「あそぼうよ」
「・・・」
前に立つ木は、ぼくをみることはなかった。
だから、ぼくは、隣に立つ木に、話しかけた。
「あそぼうよ」
「・・・」
返事がない。
隣に立つ木は、ぼくを珍しそうにみつめるけれど、
応えることはなかった。
だから、ぼくは、鎧を厚くまとった。
〜 つきのひかり 〜
ドキドキ、わくわく
ぼくは、そこにいることが嬉しかった。
だから、ぼくは、前に立つ木に、話しかけた。
「あそぼうよ」
「・・・」
返事がない。きこえなかったのかな。
「あそぼうよ」
「・・・」
前に立つ木は、ぼくをみることはなかった。
だから、ぼくは、隣に立つ木に、話しかけた。
「あそぼうよ」
「・・・」
返事がない。
隣に立つ木は、ぼくを珍しそうにみつめるけれど、
応えることはなかった。
だから、ぼくは、鎧を厚くまとった。
〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
鎧 〜 わたしのこと(一章)
月がやさしくつつむ森のなかに、わたしはいた。
ドキドキ、そわそわ
わたしは、そこにいることが恐かった。
だけど、わたしの、前に立つ木が、話しかけてくれた。
「あそぼうよ」
「・・・」
返事ができない。どうしよう。
「あそぼうよ」
「・・・」
前に立つ木は、わたしを不安そうにみつめた。
だけど、わたしは、隣に立つ木に、話しかけてみた。
「あそぼうよ」
「・・・」
返事がない。
隣に立つ木は、わたしを珍しそうにみつめるけれど、
応えることはなかった。
だから、わたしは、鎧を厚くまとった。
〜 つきのひかり 〜
ドキドキ、そわそわ
わたしは、そこにいることが恐かった。
だけど、わたしの、前に立つ木が、話しかけてくれた。
「あそぼうよ」
「・・・」
返事ができない。どうしよう。
「あそぼうよ」
「・・・」
前に立つ木は、わたしを不安そうにみつめた。
だけど、わたしは、隣に立つ木に、話しかけてみた。
「あそぼうよ」
「・・・」
返事がない。
隣に立つ木は、わたしを珍しそうにみつめるけれど、
応えることはなかった。
だから、わたしは、鎧を厚くまとった。
〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
2011年09月12日
鎧 〜 わたしのこと (序章)
月がやさしくつつむ森のなかに、わたしはうまれた。
ドキドキ、そわそわ
わたしは、うまれたことが恐かった。
だけど、わたしの、前に立つ木が、話しかけてくれた。
「こんばんは」
「・・・」
返事ができない。どうしよう。
「こんばんは」
「・・・」
前に立つ木は、わたしを不安そうにみつめた。
だけど、わたしは、隣に立つ木に、話しかけてみた。
「こんばんは」
「・・・」
返事がない。
隣に立つ木は、わたしをみつめるけれど、
近づくことはなかった。
だから、わたしは、鎧をまとった。
〜 つきのひかり 〜
ドキドキ、そわそわ
わたしは、うまれたことが恐かった。
だけど、わたしの、前に立つ木が、話しかけてくれた。
「こんばんは」
「・・・」
返事ができない。どうしよう。
「こんばんは」
「・・・」
前に立つ木は、わたしを不安そうにみつめた。
だけど、わたしは、隣に立つ木に、話しかけてみた。
「こんばんは」
「・・・」
返事がない。
隣に立つ木は、わたしをみつめるけれど、
近づくことはなかった。
だから、わたしは、鎧をまとった。
〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し
2011年08月06日
鎧 〜 ぼくのこと (序章)
太陽があつくさす森のなかに、ぼくはうまれた。
ドキドキ、わくわく
ぼくは、うまれたことが嬉しかった。
だから、ぼくは、前に立つ木に、話しかけた。
「こんにちは」
「・・・」
返事がない。きこえなかったのかな。
「こんにちは」
「・・・」
前に立つ木は、ぼくをみることはなかった。
だから、ぼくは、隣に立つ木に、話しかけた。
「こんにちは」
「・・・」
返事がない。
隣に立つ木は、ぼくをみつめるけれど、
近づくことはなかった。
だから、ぼくは、鎧をまとった。

〜 つきのひかり 〜
ドキドキ、わくわく
ぼくは、うまれたことが嬉しかった。
だから、ぼくは、前に立つ木に、話しかけた。
「こんにちは」
「・・・」
返事がない。きこえなかったのかな。
「こんにちは」
「・・・」
前に立つ木は、ぼくをみることはなかった。
だから、ぼくは、隣に立つ木に、話しかけた。
「こんにちは」
「・・・」
返事がない。
隣に立つ木は、ぼくをみつめるけれど、
近づくことはなかった。
だから、ぼくは、鎧をまとった。

〜 つきのひかり 〜
posted by もりのざ at 00:00| Comment(0)
| ある、木、のお話し